something for her

□2015.2.8-2015.3.18
twitter夢垢、tumblr夢垢(溜め場)にて呟き溜めたSS集。多少の加筆修正済。
上に行くほど新しいお話です。直で飛びたい方は下のリンクからどうぞ。

:糖度30%以下  *clap*

何もかもを成せず : 尼

○ついのべ三題ったー(『三つの言葉をテーマに』だと勘違いして書いたためタイトルが指定されたものと違います) [http://shindanmaker.com/14509] 2015.3.18の診断結果
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○同上 2015.3.13の診断結果
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○140文字で書くお題ったー [http://shindanmaker.com/375517] 2015.2.8の診断結果
| 白龍 | 盧(ルクセン) | グレイ伯爵 | アリババ | | | | | |










2015.3.18 APH:勃


期待したら戻れないことを知っている。俺は出来るだけ表情を平坦にして彼女の肩を支えた。
「暑い」
彼女が俺の胸に顔を埋めた。彼女の身体は確かに熱い。しかし問題はそこじゃない。柔らかい素肌が手の届く距離にある。思考がぐらつく。耐えろ俺。
「ブル君」
「…頼むから、やめてくれ」
俺は頭を抱えた。

他人
[ブル君の今日のお題は『予測』『人肌』『原稿』です]


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2015.3.18 APH:尼


「おいらゲームとかってあんまりしないんだけどね」
「なら録画したドラマでも観たら?ルー君のすごい溜まってるんだけど」
「おいらの方が溜まってる」
「私を攻略するの?」
「菊みたいだね」
「菊のとこの子は『月が綺麗ですね』って言うらしいわよ」
おいらは彼女の上に被さったまま丸い月を見た。成程。

絵画のような詩のような
[ルー君の今日のお題は『難易度』『録画』『満月』です]


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2015.3.14 APH:勃


「定番が欲しいんだわ」
「ご飯、風呂、セックスの三択よ。好きなのをどうぞ」
「3のセックス、じゃなくてお前がいいんだけど、男なら嫁が作った飯食って、風呂で綺麗にしてから事に及びたいんだわ。つかセックスって露骨すぎるんだわ、夢くらい見させてくれ」
「今日新しい下着着てみたの」
「愛してる」

交わりの有無について
[ブル君の今日のお題は『ご飯』『残業』『筋肉痛』です]


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2015.3.14 APH:尼


魚の骨は口の中で静かに暴れるので好きではなかった。だから見つけ次第捕まえて外へ出してやる。
「お前の皮膚は青くてその下は緑と白」
「気味が悪いわ」
「青に映える白は良いね」
「それよりも生きている赤の方が素敵よ」
「赤は綺麗なだけだよ」
しかし彼女の骨は美しい。おいらは思わず舌なめずりした。

My baby
[ルー君の今日のお題は『味覚』『骨』『青』です]


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2015.3.1 APH:尼


また一つ大事なものを失った。人々は喚いて嘆くし上は狼狽えるだけでまともな解決法など当然生まれない。おいらはただただソファーに腰掛けて薄いカーテン越しに灰色の空を見ていた。

「コーヒー飲む?」
「頂戴」

キッチンから出てきたの足元は女性なのに小綺麗ではない。でも本当はきっと、フランシスさん家の女の子みたいに沢山お洒落したいんだろうなと思った。だって彼女の顔は、勿論素でも充分可愛いけど、お化粧をしないでいるのは少し勿体ない気がする。本当はおいらの元で可愛らしく変身してほしい。だけどおいらは現実を見ている。そんなことが暫く無理そうなのは明白だった。
彼女の骨みたいな指がカップの取手からするりと抜けて膝に落ち着いた。おいらは溜め息を殺してコーヒーを飲む。慣れた苦い味だ。

「美味しい」
「でもこれが最後のコーヒーよ」
「そっか。それならもっと味わえばよかった」

カップをミニテーブルに置いて彼女を抱き寄せた時においらの手が彼女の肩に食い込んで軋んだ。おいらはちょっと驚いたけど、は痛そうな素振りは見せなかった。

「今は駄目よ」
「キスしたい」
「唇が苦いのよ」
「キスすれば甘くなる」
「…それもそうね」

彼女が抵抗するのをやめて大人しくなったのをいいことに、おいらはその小さい唇に触れるだけのキスを落とした。最初は控え目だったのが、があまりにも気持ち良さそうにしているのを見て興奮して、最後には獣みたいに貪ってしまった。未だに熱に浮かされた頭で必死に堪えてようやく彼女を解放すると、彼女の口の周りはおいらの唾液でてらてら光っていた。実に卑猥で、見なければよかったと正直後悔する。

「今、ぶっ飛んだわね…?」
「お前に、言われたくないんだよ…気持ち良さそうな顔してさ」
「はあ…それにしても、あんまりがっつかないでよ。息が苦しかった…」
「でも良かったでしょ?」
「死にかけていいことなんかないわよ」
「良いこと言うね。それよりその口の周り拭いて欲しいんだよ、なんかエロいからさ」
「てっきり貴方の演出だと思ってたわ」
「おいらは視聴者なんだよー」

けどまあ、おいらは彼女の言葉にそれもいいなと思って結局彼女の口元を袖口で拭ってやった。お礼を言われたので返事代わりに頬に唇を付ける。はやめなさいとおいらの手の甲をつねったけど満更でも無さそうだった。

「興奮するの?
「まさか。…あ、ねえ、電話鳴ってる」

家の古い電話が震えている。おいらは反射的に立ち上がるが、すぐに思い出して彼女のとなりにのそのそと戻った。

「出ないの?」
「んー、多分上司だし」
「何か大切な用事ではないの?」
「いいよ…せっかく休みなのに仕事のことなんか思い出したくないし」

電話は高い確率で上司だろう。内容も何となく分かる。だからこそ今この場で、の前で、上からの言葉など聞きたくないのだ。おいらはこれからおいら自身に起こることを知っている。この休日だって本当は奇跡としか言いようがない。彼女を呼ぶために、おいらは死に物狂いで今日を勝ち取ったのだから。彼女がそれを知る由も必要もないだけで。
はおいらの背後を気にすることなくおいらに愛されていればいい。

「あーあ…疲れた」
「キスで?ルー君ってそんなに体力無かった?」
「ううん、違うよ。とのハグとキスとえっちは格別なんだよー」
「じゃあ、私、何か変なこと言った?」
「何も。でもまだ今日は好きって聞いてないな」
「誘導したわね」
「お前は優しいからね」

彼女の肩に顔を埋めると背中に手が回される。激しいセックスの時に付けられた傷をなぞっているようでぞくぞくした。露出した肌色に思わず歯を立てる。不意討ちだったらしく、がちょっとやらしい声を出した。
おいらは自分のことも上司のことも遠くへ追いやってをずっと抱き締めていた。だって、考えるのは疲れる。心ない中傷を書面で見るのは疲れる。自衛のためなんて、大義名分だ。面倒くさいだけだ。

何もかもを成せず



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2015.2.28 APH:氷


私の拙い彼の国の言葉に苛々しているのはよく分かる。ただ私はそんなに頑丈じゃないので、蔑ろにされると非常に困るのだ。
「ごめん、忘れて」
言った瞬間腕を捕まれる。
「逃げるなんて卑怯だ」
「逃げるしかないじゃない。もういい」
「良くないよ、ばかなの?僕も好きなのに」
私は辞書で彼の手を叩いた。

なんて言ったの?
[貴方はイースで『なんて言ったの?』をお題にして140文字SSを書いてください]


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2015.2.28 magi:白龍


ある日彼女は俺を諭した。
「心まで黒くなったら終わりよ」
「どういう意味ですか」
「そのままの意味よ。白龍、私は貴方が怖い。大切なものを守りたいと思うくせに、自分を大切に思ってくれる人を簡単に捨てるでしょ」
「捨てません。約束します。俺は貴女が好きですから」
「嘘つきは一生救われないのよ」

ゲームを始めようか
[貴方は白龍で『ゲームを始めようか』をお題にして140文字SSを書いてください]


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2015.2.28 APH:盧(ルクセン)


「ほんの少し、待つだけでいいんですよ」
「…何を考えてるの?」
「自分の言うこと聞いて素直にそうしたら分かります」
「嫌味に聞こえる。信用できない」
「兄さんみたいにならないで…恋人のこと、信じて下さいよ。あと、貴女は素敵です。自分も我慢強い方ではありませんし、ほら早く……良い子ですね」

目を閉じて、三秒
[貴方はルクセンで『目を閉じて、三秒』をお題にして140文字SSを書いてください]


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2015.2.26 黒執事:グレイ伯爵


幼い頃から色々なことを教えられたが、感情の配置というものだけは誰も教えてくれなかった。
「何してんの」
「色水遊び」
彼女は紅茶を作っていた。ボクの家の紅茶の香り。
「女のくせに」
「皆そう言うの」
ボクに色水を渡して彼女が笑う。
「貴方が許嫁で良かった」
彼女の声に心が震える。この感情は何だ。

僕は一生、恋をしない。
[貴方はグレイ伯爵で『僕は一生、恋をしない。』をお題にして140文字SSを書いてください]


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2015.2.24 magi:アリババ


素直に言えたらどんなに良いだろうか。いっそ自分の女性経験の無さをカミングアウトすべきなのか。いや、そんなことをして嫌われたら終わりだ。
「俺、貴女のことが好きです」
「何、今更」
驚いた顔の彼女の前で俺はガタガタだった。大事にしたい。それなのに。
「…今夜、一緒にご飯食べに行きませんか」

色気のない誘い文句
[貴方はアリババで『色気のない誘い文句』をお題にして140文字SSを書いてください]


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2015.2.21 APH:露


「愛が欲しいなぁ」
それを聞いて私は笑う。
「貴方は何もくれないくせに」
もし私達が人間だったら、きっと二人一緒になれないまま平行線の上をだらだら歩いていたと思う。
「君が感じているより僕は素朴で軽いんだよね」
「貴方、自分の首を絞めてるわよ」
「それに結構馬鹿なんだぁ」
彼は溜め息を吐いた。

交換条件
[貴方はイヴァンで『交換条件』をお題にして140文字SSを書いてください]


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2015.2.21 APH:勃


「いやいや、知り合いが居たとしてもそれが何だよ。俺達の他に誰が居ようが居まいが俺は今ここでこのタイミングで言うつもりだったんだわ。寧ろ空気読まず声かけた向こうの方が馬鹿、というか非常識だと思うんだわ。俺のプラン台無しだわほんとどうしてくれるんだよ…格好悪い。…まあいい、返事は?」

よくもそんな恥ずかしい台詞を
[貴方はブル君で『よくもそんな恥ずかしい台詞を』をお題にして140文字SSを書いてください]


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2015.2.9 APH:英


私がいいと思うものを彼が選ぶことも増え、初めはちょっとびっくりしたりしていたけどもう馴染んでそれが当たり前になってしまった頃。空気のような滑らかさで私達が隣にいた時、それを破るかのように彼が提案した。私は喜んで承諾する。これからも私達は同じ根を持った個体みたいに息をしていくんだ。

一緒にいた影響
[貴方はアーサーで『一緒にいた影響』をお題にして140文字SSを書いてください]


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2015.2.9 APH:独


彼の作ったクーヘンはクリームと一緒に食べるととても美味しいのだけど、糖分を気にして私はいつも控え目にしていた。でも今日は何故か初めからクーヘンの上にクリームがたっぷりと乗っている。
「お前、好きだろう」
彼が僅かに頬を赤く染めて目を逸らした。私はそれを口に運んで思う。やはり美味しい。

優しくしないで
[貴方はルートで『優しくしないで』をお題にして140文字SSを書いてください]


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2015.2.8 APH:芬


「あんまり触れないで」
僕の手を叩いたは口紅を落とした。赤いそれがメイク落としへと移る瞬間彼女の睫毛が震えて涙が滲む。
「眠いの?」
僕は問うたが彼女は答えない。その代わりに汚れた手を押し付ける。
「柄にもなく健気に頑張った結果がこれよ。ばっかみたい」
そうか、見極められなかったんだ。

1+1=1
[貴方はティノで『1+1=1』をお題にして140文字SSを書いてください]


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2015.2.8 APH:尼


「駄目よ」
「それはおいらの台詞だ」
外では雨が降っている。だから家の中に居た方が絶対に良いに決まってる。おいら達が何かしたところで何に対しても干渉出来ないんだ。おいら達はただ黙って見守ることしか出来ないんだよ。
「貴方、随分老いたわね」
伸びた足の爪が靴の中でひしめき合った。痛すぎる。

最後の言葉
[貴方はルー君で『最後の言葉』をお題にして140文字SSを書いてください]


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