怠惰な生き方
耀が間抜けな顔を晒して昼寝している。私は彼に用があってきたのだけど、これじゃあ帰れない。肩を軽く叩いてみたけど起きる気配はない。仕方がないので愛故に頬をつねってみる。

「…だあああ!?」
「やっと起きた!昼寝のくせにどれだけ熟睡してるのよ!」
「いてーある……!?」

私の姿を確認すると、途端に緩みきった顔で起き上がる。寝ていた時とは違う意味でだらしない。

ーいつ来たあるか?寒くないあるか?腹減ってないあるか?一緒に布団に入るよろし!」
「久々に孫に会ったお爺ちゃんみたいね」
「そんなことねーある。お前と我は長らく逢瀬を待ち望んだ恋人あるよ!寂しかったある…」
「勘違いも甚だしいわね。耀、ほら起きて!寝ないの」

布団をひっぺがして耀を無理矢理起こすと、部屋の冷たい空気に彼が身震いして、徐々に覚醒していく。私はその間、バッグから彼に渡すクリアファイルを取り出す。

「今日はこれを渡しに来たのよ」
「ふあ…何あるか、これ」
「兄さんからよ。何か仕事で使う大切な書類なんじゃないの?」
「あー…もしかしてあれあるか……菊の奴また昔の恩を忘れて…まったく、もっと我を敬えあるよ」
「耀より兄さんの方が素敵よ」

分かりやすいくらい落胆している耀が可笑しくて笑ってしまう。追い討ちをかけるように、彼が好きだと言ってくれる笑顔で続ける。

「頭が良くて、穏やかで落ち着いてて冷静で、優しくてあたたかくて、ちょっと寂しそうで時々意地悪な兄さんが素敵」
「お前、彼氏の前でよくそんなことが言えるあるな…」
「だって本当のことよ。それとも、近親相姦でも期待してたの、貴方」
「何を言ってるあるか!」
「でも私、兄さんになら抱かれてもいいわ…ふふ、私は可愛い妹じゃないけどね」
「お前はまたそういうことを、」
「そうね、耀は枯れてるからそういうこと聞いても何も興奮しないわよね」
「お前は恥を知るよろし」
「やだ、枯れてるの?」
「ちげーある!」

一人で熱くなる彼の横に私も座ってだらける。耀の下半身のことは私がよく分かっているはずなのに、真に受けて落ち込むなんて阿呆みたいで可愛い。頭を彼に預けると彼の甘い香りがした。

、さっきのは本当あるか」
「何が?」
「その…菊に抱かれたいとかその辺ある」
「何でそんなに気にしてるの?」
「はぐらかすなある。これは重要な問題あるよ」
「別にはぐらかしてないわよ。そうね…うん、私達兄妹じゃなかったら絶対付き合ってたと思う。きっと兄さんは昼間は物静かで穏やかだけど、夜のベッドの中ではきっと激しいわよ。あ、違う。私が兄さんの部屋に行くからきっと畳の布団の上ね。そこで二人は何も言葉を交わすことなく、でも幸せな気持ちで毎晩セックスするのよ!」

嬉々として語る私を見て耀は溜め息を吐く。

「それはカークランドの影響あるか?それともフランシスあるか?どちらにせよ頭が痛いある。私が可愛がってたはどこに行ったあるか…」

私をぎゅっと抱き締めてぶつぶつ愚痴を溢す彼の額にキスをして、私は耀の髪の毛を弄る。

「私、耀に育ててもらったなんて思ってない。だから貴方を好きになったのよ。淫乱でごめんなさいね?だけど可笑しくないわ。好きな人とセックスしたい、素敵なことだわ」
「…その言い方だと、色んな好きが含まれるあるよ」
「ほんと、言わなきゃ分からないのね」
「当たり前ある。言わなきゃ分からねーある」

耀が私に体重をかけて二人して倒れる。目の前の耀の顔が私の顔の横に落ちてきて、半端な体勢になる。

「好きよ。貴方が好き。煩くて面倒で落ち着きがなくて、嫉妬深くて沢山縛ってきてうっとおしい貴方が好き」
「何あるか、けなしてるあるか?」
「愛情表現よ、可愛がって?」

彼の背中に腕を回すと、耀は情けない声で返事をした。
2014.1.31
material:R.Planet.03
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柚流様 / 中 / 日の妹で中の恋人の夢主が、過保護でスキンシップの多い中にとことん愛されるお話