私は彼女を呼んで、自分の膝を指差す。彼女はそれに従って私に背を向けたが、私はそれを制するために口を開く。
「違います、こちらを向いて座って下さい」
「嫌よ。服の裾が捲れるじゃない」
私と向かい合わせに私の膝に座れば、股を広げることによって長い官服の裾をはしたないくらい上げなければならない。
はまさか、私がそんな配慮に欠ける男だと思っているのか。まさか。私がそんなことに気付かないわけがないのに。だからといってその配慮をそのまま彼女に与えるわけでもないのだが。
「いいですよ。早く裾を上げて私の膝に座って下さい」
優しく、だけど逆らえない口調で彼女を責めれば、渋々といった感じで控えめに裾を捲り上げ私の膝へ座った。私が彼女の腰を支えて膝を少し上げ、距離を狭める。
体勢が整ったところで、私はまず目の前の
の胸を見た。そのまま視線を下げて、私のももと彼女の素足が触れあっている様を見る。私が素足でなく普通に官服を着ているのが残念だが、布一枚隔てていた方が逆に興奮するかもしれない。すらりと伸びた脚が私のももを挟み、彼女の脚の根元は辛うじて見えないものの私のそれとごく近い場所にある。邪念を払っても、というより、払う必要性を感じない。こんなの誰だって、興奮するなという方が無理だ。
「興奮してるの?」
「久しぶりだからね」
「だから変態みたいなことをしても仕方ないと」
「男って皆そういうもんですよ」
捲れ上がる服の裾から手を差し込み、
の下着のラインを指先で確認するように撫でる。彼女は一度身震いしたが、表情からは執着の欠片も見当たらない。
「やめてよ」
「何でですか」
「誰か来るかもしれないし、私下着丸見えじゃない」
「誰も来ませんよ、こんな所まで。私は逃げ出したシンを探してるってことになっていますし」
シンの仕事から逃げ出す癖は正直私では治せない。だからもう、これは彼にとって習慣なのだと考えることにした。そうすればある程度は妥協できる。逆に言えば妥協しないとやっていけない。そんなところまで追い詰められている。だから勿論妥協したところでシンのその癖は毎度毎度腹が立つ。今日もいつものように脱走した跡を見て、私は溜め息一つ吐いてから、部下にシンを探してくるから君達は職務に戻れと言って、その足で
の元へ向かった。ぶっ続けで魔法の研究をしている彼女を、休憩と称して外へ連れ出すのは至極簡単だった。
「部下に仕事を任せて自分は女と遊んでるなんて、ジャーファルも王様と同じじゃない」
「食事くらい、たまには陽の下でゆっくりしたいからね。大体シンが逃げ出さなきゃもう片付いてた仕事だってあるんです」
「最低。王様へのイライラを私で発散しないで。私は自然なセックスがしたいわ」
「食事だって言ってるじゃないですか」
下着を撫でる手をそのままに私は彼女の上半身を自分の方に倒す。
「君は、魔導士のあの黒い服か、シンドリアの官服を普通に着ているけど、ヤムライハみたいに大胆な服は着ないの?」
「ヤムライハ様のあれは魔力蓄蔵器よ」
「君もそんな風にしないの?」
「簡単に出来るものじゃないわ。それに出来たとしても、困るのは貴方よ」
「私が?」
「恋人がそんな姿で王宮内を歩いても平気なのかって訊いてるの。私は毎日色んな男に抱かれるのよ、想像の中でだけど」
自分が男であるのでその気持ちを理解出来ないわけではない。そういえばいつだったか、武官達がこそこそ卑猥な話で盛り上がっているのを、見かけたことがある。ヤムライハで時々抜くことがある、といった話だった。その時の私は何を下劣な、と冷ややかな視線を送るだけであったが、それが
なら話は大きく変わってくる。確かに、想像の中で犯されて困るのは私かもしれない。なんといっても彼女は身体が汚れることはないのだ。それに
の性格からして、妄想の対象にされたところで傷付いたりしないだろう。
成程なと思って彼女を抱き締めた。胸が顔に当たる。
「貴方を見てると、本当に老いたわって思うの」
「もうどうだっていいです。それより先程の私の発言は撤回するよ。君はこのままでいてね」
「しないでって言われると、したくなるのよね」
「まったくひねくれてる」
二人で小さく声を出して笑い、私は彼女とより密着した。
絆されてそのまま眠りたい
2014.1.31
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えい様 / ジャーファル / 甘いお話